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株主・投資家の皆様へ

シキボウ株式会社
代表取締役 社長執行役員
尻家 正博

株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
第210期(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の年次報告書をお届けするにあたり、ご挨拶申し上げます。

当期におけるわが国経済は、一時的に新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、行動制限の解除や入国規制の緩和が進み、経済活動は緩やかな回復基調となりました。しかし、中国のゼロコロナ政策によるサプライチェーンの混乱、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化による資源価格高騰や、物価上昇を受けた世界的な金融引き締めによる急激な為替変動により、先行き不透明な状況が続いております。

このような事業環境のもと、当社グループは中期経営計画「ACTION22-24」において3つの基本方針「経営基盤の強化」、「次の革新的成長に向けた取組」、「サステナビリティ経営への取組」を掲げ、取り組みを進めております。1年目となる当期は、新たな市場展開に向けた設備投資として、連結子会社であるシキボウリネン㈱岩出第一事業所の新工場増設を進めてまいりました。また、カーボンニュートラル社会実現に寄与する設備投資として、長野事業所にCO2排出量の削減を目的とした自家消費型太陽光発電設備を設置いたしました。事業ポートフォリオの見直しとして、連結子会社であった㈱マーメイドスポーツの株式譲渡を実施いたしました。さらにやりがいや働きがいのある職場・制度づくりの実現のため、当社グループの全従業員を対象にエンゲージメントサーベイを実施いたしました。

業績の概況につきましては、全セグメントにおいて売上高は前期比増収となりましたが、原燃料価格の高騰や急激な円安の影響により、特に繊維セグメントを中心に利益面で苦戦いたしました。

以上の結果、売上高は378億93百万円(前期比6.2%増)、営業利益は12億17百万円(同10.2%減)、経常利益は11億25百万円(同8.4%増)となりました。また、特別損益として、一昨年秋に海外連結子会社において発生した火災による損害に対する保険金および投資有価証券の売却益を特別利益に計上し、連結子会社の株式譲渡損失を特別損失に計上いたしました。さらに、これらの内容等による当期の税金費用の減少等により、親会社株主に帰属する当期純利益は15億68百万円(前年同期は49百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

なお、2023年3月期の期末配当金につきましては、前期から10円増配の1株当たり50円といたしました。

2023年度につきましても、当社グループでは「ACTION22-24」の3つの基本方針に沿って取り組みを進めてまいります。
「経営基盤の強化」につきましては、引き続きシキボウリネン㈱において旧工場の改修および機械設備の更新を予定しております。また、連結子会社である㈱シキボウ堺において、主力の食品用増粘安定剤であるブレンド(粉体の混合)製品の生産能力の増強および品質向上の実現等を目的とした新工場建設を開始いたします。「次の革新的成長に向けた取組」につきましては、複合材料事業において、省エネルギーや軽量化が求められる航空機等をはじめとする様々な分野での市場開拓に取り組みます。「サステナビリティ経営への取組」につきましては、環境配慮型製品・社会課題解決型製品として、サステナブルな製品やフェムテック製品の開発により、新たな市場開拓を進めてまいります。また、多様な人材の確保と育成により人的資本の充実を図り、グローバル展開、成長領域への展開を進めてまいります。

当社グループでは、株主・ステークホルダーの皆様方に支持されるよう、安心・安全・快適な暮らしと環境にやさしい社会の実現を目指して、社会的責任を果たしつつ、企業価値の向上を目指してまいります。

株主の皆様におかれましては、引き続きご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。

2023年6月